ぎゅん太のコネ
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さて、前回は人形浄瑠璃のルーツの話をしましたが、今回はサンダーバードのルーツをお話します。浄瑠璃が義経の恋人の名前だった!という話は有名ですが、実はサンダーバードと浄瑠璃の関係はそれほど知られていません。
サンダーバードと言えば全世界でも名の知れた英国のテレビ番組です。クオリティーの高い人形と多くの人形師達によって演じられており、物語の面白さも然ることながら、視聴者の興味を、その舞台裏にまで引きつけることの出来る魅力をもっています。 サンダーバードの舞台裏と聞いてまず思い浮かぶことは、やはりその撮影に使われていた出演者、人形達でしょう。 サンダーバードに使われている人形達のほとんどは当時の俳優や女優をモデルにしており、それぞれの人形にはそれぞれ専用の人形師がついて製作に携わっています。「作者が違うのでは人形内部の構造は全て異なるのか」というとそういうわけでもありません。その理由は、サンダーバードではアロイシャス・パーカーの製作に携わる、ジョン・ブランダール氏の技術が全ての人形に活用されているからです。 その技術こそが、義経とサンダーバードを結ぶ「人形浄瑠璃」なのです。 ブランダール氏は日本の能、浄瑠璃、文楽など、日本の伝統芸能に魅了され、写真を見ながら独学で能面を打っていました。特に、大英博物館にも収蔵されていることで有名な鈴木能仁氏の能面に強い影響を受けたそうです。 ブランダール氏が製作したサンダーバードの人形には、彼の学んだ日本の伝統芸能、人形浄瑠璃の技術が使われており、目や口などが動くことから、全ての人形にその技術が使われたのです。 つまり、サンダーバードの人形は人形浄瑠璃の発展した一つの姿と言えるのです。 で、話はここで終わりではありません。 まだ有馬玩具博物館がなぜこれらのつながるのか、をお話しましょう。 上のポスターの写真にあるパーカー人形ですが、これは有馬玩具博物館に収蔵されている3体の「本物」のパーカー人形の内の1体なのです。 実は有馬玩具博物館がたてられる時、館長の西田明夫氏からジョン・ブランダール氏本人に縁あって製作をお願いすることができ、快く引き受けて下さったことで、3体の新作パーカーがやってきたのですが、そもそもこの神戸という地には浄瑠璃の魂が根付いているということも忘れてはいけないのです。 前回の話の最後に触れた話を覚えておられますでしょうか。 トーキーの普及により、浄瑠璃は衰退していったということなのですが、実は浄瑠璃が衰退していくことで、職にこまった人形制作の職人さんたちは、新しいシェアを開拓すべく、「神戸人形」なるものを作ったのです。無気味な造型からは想像できないような滑稽な動きにその面白さを感じます。さすがに職人であっただけあってその精巧さも良いのですが、実はこれらは現在ほとんど日本に残っていないのです。 浄瑠璃の職人さんたちが作ったそれらはやはり高価なもので、庶民には手が届かない代物でした。しかし海外の人間達ならば、それらを「土産物」として購入することは容易かったのです。その為、ほとんどの神戸人形は海外に流れたといわれています。 日本のカラクリのルーツともいえる神戸人形も、実はそのルーツの先に「人形浄瑠璃」があるのでした。 義経もブランダール氏も、この神戸という地も皆「浄瑠璃姫」に魅了された者達なのです。
by Gyunta
| 2006-04-10 18:06
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