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有馬玩具博物館で起こるさまざまな出来事、出会いの記録。皆様からのご意見やご感想もお待ちしております。
by Gyunta
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これ見るべき!でもここから流れてくる人のが多いから既に見てるかも?
シーボルトが愛した花「オタクサ」
有馬温泉ブログ様からのコメントに対して、良くブログにもコメントを下さっている「ちあき」様からメールにてコメントをお預かりしました。
ちょっと長いのでこちらで掲載させていただきます。

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数日見ていませんでしたが、昨夜見ましたら、アジサイの花をアップされて、「シチダンカ」のことが書かれていました。詳しく記述されていましたが、コメントで「有馬ブログ」から「オタクサ」のことが書かれていました。
コメントに書くには、長くなりそうなので、メールします。
私は、シーボルトの『フローラ・ヤポニカ』を解説した『日本植物誌』八坂書房出版、の本を持っています。昨年は、神戸の小磯記念美術館にて「植物画世界の志宝展」が開催されて、アジサイの花の植物画もありました。
私は、中学・高校と生物クラブにいましたので、花や昆虫が今の好きで写真を撮ります。
あの、アジサイは花付きもよく、本当に「シチダンカ」?と思い、花に詳しい友人に数人尋ねましたが、「シチダンカ」で間違いないと返事を貰っています。関東のほうで「ホシアジサイ」という似たアジサイもありますが・・・・

アジサイは、古くは「ユキノシタ科」とされていましたが、現在は「アジサイ科、アジサイ属」と統一しようとしているようです。最初に、ブログに載せられていた写真が小さかったので、よく分からないのですが、もしかすると、日本古来種の「ヒメアジサイ」かもしれません。手鞠の形をした球アジサイも、日本原産であります。西洋アジサイだとしたら・・・「ブルーサファイア」なんかなあ?と思ったりしますが、アジサイは、日本で150種、ヨーロッパで改良園芸種は400〜500種にのぼります。

さて、「オタクサ」のことですが・・・・
シーボルトはドイツ人ですが、当時はオランダ人しか長崎に入れなかったのでオランダ人として、日本にきていました。
シーボルトが、妻(愛人といわれますが、このときはシーボルトは独身なので、妻として待遇しています。子供も出来ています)と迎えたのは、丸山の遊女「其扇(そのぎ)」・・・本名は楠本滝といい、まだ16才だったといいます。シーボルトは、滝を「お滝さん」と呼び、その発音が「おたくさ」だった。彼は、その学名を Hydrangea Otaksa オタキサンバナ の意味ですが、彼よりも前に学名が付けられていたため、この Otaksa は採用されませんでした。
シーボルトは、アジサイを好んだようで、『日本植物誌』には、14〜17種類?が紹介されています。
和名オタクサという名前が、「お滝さん」の意味であることを明らかにしたのは、箱根の植物研究家の沢田武太郎でした。
日本で、シーボルトのために植物画を書いたのは、川原慶賀という画家です。
しかし、『日本植物誌』には、川原慶賀の名前はなく、この人の下絵を参考にしてドイツの画家が描いたものです。しかしながら、シーボルトコレクションとして残されたものの中に川原慶賀のサインがあるものが243枚あります。日本人の方の絵が緻密です。

シーボルトがつけた学名は Hydrangea macrophylla Ser. va. Otaksa  です。
Hydrangeaは「アジサイ属」、 macrophyllaは「大きな葉の」 という意味です。
ガクアジサイの学名は Hydrangea macrophylla f. normalis  です。

アジサイの語源は「青い花が集まっている」・・・というのが通説です。
「あづ」→集 、 「さい」→「真藍」  →  「アヅサアイ」が「アジサイ」になったとか・・・・

「紫陽花」という漢字名は、中国の唐の詩人の白楽天(白居易)が『白氏文集』に載せた別の花の名前を、日本の平安時代の学者、源順(みなもとのしたごう)が『倭妙類聚鈔』に今のアジサイに、この漢字をあてた誤用で、そのまま現在に至ります。
中国では、アジサイは「八花仙」と呼ばれています。

アジサイは、万葉集の時代から(橘諸兄・大伴家持)歌に読まれたり、短歌・俳句に詠まれています(松尾芭蕉・小林一茶・正岡子規・・・が有名です)

六甲山で130年ぶりに見つかった「シチダンカ」ですが、研究者によっては、シーボルトの『植物誌』の葉の形が少し違うのでないか?という人もいますが、下絵を模写しているため、さだかではありません。ほとんどは、六甲山で見つかったものが、そうであろうと言われています。

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いやはや・・・。とても詳しく書いてあるので私から付け加えるコメントが見つかりませんが・・・

オタクサとシチダンカは同じものなのか別物なのか・・・
という話ですが、結論から言うと同じものと言えるでしょう。
しかし、勘違いなされないように付け加えますと、オタクサというのは、ハイドランジアオタクサ(正式には1835年にシーボルトによってつけられたHydrangea macrophylla Ser. va. Otaksa)とう学名であり、アジサイという種類を指しているに過ぎません。
つまり、オタクサはシチダンカだけに限らず、アジサイと呼べるものは全てオタクサであると言えます。
ただし、これは現在でも通用する正規の学名であるとは言いがたいのです。

アジサイがヨーロッパに入ってきたのは18世紀に入ってからだとされています。
当初アジサイはフランスのモーリシャスで研究され、その研究に携わった生物学者コンメルソンが、彼の愛する女性の名前オンタンスに因んでHortensia(ホルテンシア)と名付けましたが、アジサイをヨーロッパにもたらした、天文学者ルジャンディルがさらに別の女性、ルポート婦人の名を使い、Lepautia(ルポーティア)と呼ぶよう提唱したそうです。コロコロの移り変わるアジサイの学名も、最終的に、Hydrangea(ハイドランジア)で落ち着くこととなりました。現在ではHydrangea Macrophylla(ハイドランジアマクロフィラ)という学名となっています。Hydrangeaは大量の水を吸い上げて成長することから、Hydro+angeion(水+容器)と名付けられました。

ちなみに、オタクサというのが学名ではHydrangea macrophylla var. Otaksaといいますが、これはシーボルトがヨーロッパに持ち込んだ品種を変種とし、つけられた学名といえます。シーボルトより先にアジサイの採取、基準標本としたのがチュンベリーでしたが、彼の発表したVibrunum macrophyllumではつじつまがあわなかったのです。アジサイはガマズミ属でなかったため、アジサイ族、Hydrangeaとなりました。Hydrangeaには大きく分けて2種類あり、ガクアジサイにあたるf.normalisと西洋アジサイにあたるホルテンシア型のf.macrophyllaと呼びます。

一方、シチダンカの名前はというと、シチダンカというのは漢字で「七段花」と書き、花のように見えるガクの部分のひとつひとつが7段に重なりあってるように見えるところから、そう名付けられたとされています。厳密には8重になってるようです。シチダンカはヤマアジサイの仲間でHydrangea serrata f. proliferaという学名です。

ここから言えることは、オタクサはシチダンカともいえますが、厳密には違うということですね。

極端な話。犬の事をワンワンというのと、シーボルトもアジサイのことをオタクサと呼んでいたのとでは同じようなものなんじゃないでしょうかね。
by Gyunta | 2006-06-21 16:23
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